映画

『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』古川知宏監督 最後のセリフ @新文芸坐 20221203

2022年12月3日、池袋の新文芸坐で行なわれた「新文芸坐×アニメスタイルSPECIAL アバンギャルドアニメの最先端 劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト 」というイベントでは、上映後に古川知宏監督と『アニメスタイル』の小黒祐一郎編集長のトークコーナーが…

悼むこと、乗り越えること (『すずめの戸締まり』感想)

「みみずくんは地底に住んでいます。巨大なみみずです。腹を立てると地震を起こします」とかえるくんは言った。「そして今みみずくんはひどく腹を立てています」 村上春樹「かえるくん、東京を救う」 『すずめの戸締まり』を見てまず驚いたのは、新海誠が地…

音のない世界で(『ドライブ・マイ・カー 』感想)

濱口竜介監督の作品は、これまでに何度も動く乗り物を印象的に撮影してきたことが思い返されます。2010年の『THE DEPTHS』でも、2012年の『親密さ』でも、並走した2台の乗り物が徐々に引き離されていくその様子をカメラがじっくりと捉えて終幕を迎えました。…

死なない少女(『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』感想)

1. 序盤では一切明かされることがなかった過去の出来事や登場キャラクターたちの馴れ初めを、物語の後半にまるで堰を切ったように立て続けに開示していき、独特なエモーションを獲得することに成功しているのは、この作品の監督である古川知宏の、さらに師匠…

青春時代の通過儀礼 ( 『リズと青い鳥』 感想 )

2010年、『映画 けいおん!』で劇場監督としてデビューを果たした山田尚子は一昨年、ついに興行収入20億円の大台を超えるヒット作『映画 聲の形』を生み出した。 耳に障害を持つ少女と、かつて少女を虐めていた少年とのやり直しを描いたこの青春物語は、第一…